2018年8号

輪島商工会議所の次世代交通対策事業「WA-MO」について

 11月30日、石川県輪島市の輪島商工会議所を訪問し、次世代交通対策事業WA-MO(ワーモ)を取材しました。 この事業は、平成22(2010)年度から始まり、平成23(2011)年度~平成25(2013)年度の3年間、愛・地球博成果継承発展助成事業で支援を行いました。(4人乗りカートには、「愛・地球博成果継承発展助成事業」の表示をしていただいてました。ありがとうございます。) 

 平成26(2014)年度には、軽自動車のナンバーを取得し、公道実験を開始し、28(2016)年度からは、市内3コース(輪島キリコ会館コース、輪島病院コース、塗めぐりコース)で1日4時間、20分に1本の間隔で調査走行を実施中です。この事業は、普通の車にはない使い勝手、街にいる人が参加するシステム、便利の追加ではなく地域を支える足としての役割を目指しています。エコモ財団による資金支援の活用による運転手となるシルバー人材の育成や、産業技術総合研究所の自動走行を活用した端末交通システムの実証評価地域に選定(事業年度はH28~H30)され研究が実施されるなど。また、来年度からはグリーンスローモビリティとしてカートの購入費用の2/3の補助制度も予定されており、道の駅など他の地域への横展開の広がりを見せそうです。 

 今回は、輪島キリコ会館コースと塗めぐりコースを試乗させていただきました。WA-MOは路面に埋め込まれた誘導線からの磁力線を車体前方下部に備えた3つのガイドセンサーが感知し、設定されたルートを走行するもので、塗めぐりコースの自動走行区域で自動運転を体験することができました。乗り降りも簡単で、カーブや、停止箇所で自在にスピードを加減したり停止するので全く不安はなく、コース上に人や車が停止していると、運転手がすぐにハンドルを握って手動に切り替えられるなど、安全対策はしっかり取られています。また、カートは最高時速19キロ/hですが、遅いという感覚ではなく、街並みの素晴らしさをゆっくり楽しむことができました。20分間隔で運転しているため、ちょっと待てばカートがくる状況は、とても使い勝手が良い感じです。 

 WA-MOは、今年度グッドデザイン賞を受賞されました。おめでとうございます。これからは、国道への誘導線の敷設という課題はあるものの、コースの増設、GPS機能を使った自動運転の導入、一部車両の無人化、路線バス等の緊密な連携などまだまだ取り組みは続きます。ますます発展することを期待してやみません。 

 WA-MOのHPはこちら→ http://wajimacci.or.jp/ecocart/

  最後に、輪島キリコ会館を見学させていただきました。現役の大キリコ7基とキリコ24基の展示は圧巻で、能登で息づくキリコ祭りを是非みてみたいと強く思いました。 

輪島キリコ会館のHPはこちら→ http://wajima-kiriko.com/about/

                         (文責:桑原洋一)

 

4人乗りカート(正面には愛・地球博成果継承発展事業の表示)  

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