1995年10号

第1回地球産業文化委員会の開催について

 1995年8月7日(月)に、12名の文化委員と3名の関係者の参加を得て、標記委員会がGISPRIに於て開催された。本委員会については、地球研ニュースレター(1995年9月号)の平成7年度第一回通 常理事会(1995年6月22日開催)の報告記事の一部として、そのメンバーのみ紹介があった。本稿では文化委員会について、その目的も含めもう少し詳しく紹介してみたい。

 本委員会の構成メンバーは、委員長木村尚三郎東京大学名誉教授を含む各分野(実業界、政治、経済、社会、文化・文明、科学・技術、ジャーナリズム等)の学識経験者から成っている。

 GISPRIは、今年の12月で発足以来まる7年になるが、7年目に入る今年の初めから本研究所のあり方や活動を今後如何にしていくべきかが検討されてきた。この背景には、日本の政治のあり方が問われ、政・官・財の関係も変革が求められるようになり、以前よりもシンクタンクの必要性や役割が増すことが予想される事と、GISPRIとしても6年が経過しシンクタンクとしての揺籃期を終え、世の中の変化にGISPRI“らしさ”をもって対応すべく、次なるステップを目指す丁度良い機会であるとの二つの側面 があった。

 二段階目に入ったGISPRIが今回新しく導入した仕組みは、一つは中断されていた「中期計画」の再開と二つ目は「地球産業文化委員会」のスタートである。本委員会の役割は、一つは、研究計画についてのアドバイスやコメントをすることであり、二つ目は、実施した事業について評価することであり、三つ目は、本委員会として適宜提言を行うことである。この文化委員会の意見は、ローリングプランである「中期計画」にできるだけ反映させたいと考えている。

 第一回地球産業文化委員会は、本委員会の役割の認識、GISPRIの実績及び現状の説明、活動分野の確認、研究すべき重要テーマの方向性等の意見交換がなされた。

 研究領域については、GISPRI発足の理念を継承し、(A) 環境・資源、(B)文化・社会、(C)国際システムとし、最終目標として地球社会の持続的繁栄のためのシステム作りとマネージメントを如何にするかを検討する。

 研究テーマについては短期・中期のものがあるが、重要と思われるものは、(1)価値観、生き方の問題、(2)アジア問題、(3)市場・市場経済の多角的検討、(4)高度情報化、(5)南北問題、(6)総合安全保障、(7)グローバル・ガバナンス等が対象となるだろう。

 最後に、本委員会を通 じ適宜世に提言していくことと本年末か来年1月に本メンバーによる“合宿”を行いメンバー各位 の価値観等のベースになる部分を本音で話し合う機会を持とうという委員長の提案があり実行することとなった。

 

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