2002年1号

平成13年度 「経済発展と地球温暖化問題の国際合意形成」 研究委員会

 平成12年度よりスタートした標記委員会は、大塚啓二郎・政策研究大学院大学教授を委員長として、この11月より、以下のテーマに関する調査検討を中心に、本年度の研究委員会を開始した。以下にその概要を紹介する。


1.趣旨

 開発途上国に温室効果ガス削減義務を課す問題について、先進諸国は過去の気候変動枠組み条約締約国会議で毎回議題として取り上げようとしたが、「温暖化を招いたのは先進国の責任。原因を作りだした諸国が削減を率先垂範すべきだ」とする途上国の反発で、門前払いになっている。途上国全体の総排出量は2010年頃には先進国全体を上回ると見られており、地球規模で温暖化防止の実効性を上げるには、途上国の削減への参加は避けて通れない。また京都議定書は、途上国の削減義務には全く触れておらず、米国が議定書から離脱する理由ともなった。
 昨年度の委員会では、CDM、公的資金、途上国参加、炭素クレジットのCDM効果、中国の参加、シンク、温暖化問題への経済学的考察および環境保護の経済誘因の諸課題で調査を行い、途上国が京都メカニズムに参加することの潜在的メリットを実証した。
 また、地球温暖化問題の本質は地球環境という公共財のフリーライダーの問題である限り、途上国の自発的な努力や判断を待つのでは解決に成り得ず、温暖化ガス削減にコミットすることが途上国にとっても有利になるような環境を作り出すことが肝要である。

2.本年度の研究方針

 途上国が京都メカニズムに参加することのメリットを実現させる方策について解明を計り、途上国と先進国との協調による地球温暖化防止戦略を調査研究する。
 成果イメージとしては、途上国がアクセプトし、先進国としても実効可能なスキームの提案を狙っている。
 具体的には、COP7結果を反映させたCDM活用スキームを検討すると共に、可能であれば、その他スキームづくりを行い、第一約束期間での実効ある姿を検討する。更に、第二約束期間からの途上国参加を可能とするための論点の整理を行う。

3.委員名簿(敬称略)

委員長   大塚啓二郎   (政策研究大学院大学教授)
委 員   饗場 崇夫   (日本経済研究所国際局主任研究員)
    明日香壽川   (東北大学東北アジア研究センター助教授)
    石海 行雄   (情報技術コンソーシアム取締役社長)
    亀山 康子   (国立環境研究所社会環境システム領域主任研究員)
    工藤 拓毅   (日本エネルギー研究所環境グループマネージャ)
    小池 寛治   (政策研究大学院大学教授)
    松枝 法道   (関西学院大学経済学部専任講師)
専門委員   矢口  優   (国際開発高等教育機構/政策研究大学院大学共同プログラム研究助手)
オブザーバ   井上 博雄   (経済産業省産業技術環境局環境政策課地球環境対策室課長補佐)
    大谷  豪   (東京電力環境部国際協力担当課長)
    岡崎 照夫   (新日本製鐵環境部地球環境対策グループリーダー)
    川口  修   (新エネルギー・産業技術総合開発機構国際協力部部長)
    蔵方  宏   (国際協力事業団鉱工業開発調査部資源開発調査課課長)
    須崎 彩斗   (三菱総合研究所科学技術政策研究部産業環境研究チーム研究員)
    津田幸二郎   (国際協力銀行環境社会開発室次長)
(文責:小田原博史)

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