2003年1号

チャイナカウンシル本会議及び 同「循環経済とクリーナープロダクション・タスクフォース」会議出席報告


 昨年11月23日(土)~25日(月)に北京において「環境と開発に関する中国国際協力委員会(チャイナカウンシル)」第3フェーズ第1回本会議が、また、12月13日(金)~16日(月)に中国・瀋陽市においてチャイナカウンシル「循環経済とクリーナープロダクション・タスクフォース」第1回会議が、それぞれ開催された。

1. 環境と開発に関する中国国際協力委員会(CCICED、チャイナカウンシル)について

 
 1992年4月に設立された非政府組織で、環境に配慮した持続可能な開発戦略について中国国内外の専門家が検討し、中国政府トップに提言を行っている。本会議(議長:温家宝・国務院副総理)は、毎年1回開催され、実働組織であるワーキンググループ(WG)及びタスクフォース(TF)からの活動報告を受けると共に、中国政府への提言を審議・決定してきた。

 1992~'96年の第1フェーズ、'97~'01年の第3フェーズに続き、'02年から第3フェーズの活動が始まった。

 日本からは、カウンシルメンバーとして石坂匡身・石油公団副総裁が、また「循環経済とクリーナープロダクション(CE&CP)TF」の共同議長として井出亜夫・慶應義塾大学教授、「資金メカニズムTF」の共同議長として井村秀文・名古屋大学教授が活動に参加している。


2.チャイナカウンシル第3フェーズ第1回本会議 [2002年11月23~25日、於:北京]

(1)参加者
・カウンシルメンバー、TFの共同議長、中国中央政府・省からの招聘者、オブザーバー等約100名が参加した。

・議長の温家宝・国務院副総理と副議長の劉江・国家発展計画委員会副主任は「業務多忙」として欠席だったが、副議長の解振華・国家環境保護総局長、曲格平・全人代環境資源保護委員長、Goodカナダ国際開発庁(CIDA)長官、そして新たに副議長に就任したLoennroth元スウェーデン環境大臣は、レセプションを含めてすべての議事に参加した。
(2) 温家宝議長あいさつ[代読:解振華副議長]

  解副議長は、温家宝議長の欠席を詫び、以下の内容の挨拶を代読した。
     
  先に開催された中国共産党全国代表大会では、持続可能な発展について重点的に取り上げ、たゆまぬ努力により生態環境の改善、資源の有効活用、人間と自然との調和を促進し、生産の拡大、生活の向上、地球に優しい文明発展の道を社会全体で進める重要性が強調された。
     
  中国政府は先に開かれた環境開発サミットで採択された「ヨハネスブルク宣言」、「実施計画」に基づく環境・開発政策を進め、経済成長・社会進歩・環境保護の相互促進、協調発展を推進する。

(3)事務局活動報告 張坤民・事務局長
     
  昨年の年次総会で採択した「提言」の採用状況について、これまでに中央政府16機関と地方政府12省・自治区から報告を受けた。具体的な成果として特筆すべきは、「クリーナープロダクション促進法」と「環境アセスメント法」が全人代で可決され来年に施行されること。
     
  第3フェーズの基本方針は、過去2フェーズの蓄積の上で、より効果的かつ統合的に中国での持続的発展を推進することにある。この方針のもと、以下の改革を実施した。
     
  副議長に外国人を1名追加。カウンシルメンバーを約20名削減。
     
  政策研究の計画と調整機能を強化するため、「Lead Expert」を設定し、孫鴻烈・中国科学院院士とArthur Hanson博士(IISD)に委嘱。
     
  第2フェーズまでのWGによる活動から、よりフレキシブルで課題達成指向のTFによる活動に変更。TFのテーマは中国政府の助言をもとに決定される。各TFの活動期間は原則として2年を超えないものとする。

(4)TFからの報告
     
  生態安全TF、森林と草原TF、環境経済学TF、WTOと環境TFから、活動実績及び政府への提言について報告を受けた。
     
  前記4TF及び現在活動を行っている7TFのテーマと、その資金拠出国・機関は以下のとおり。
     
  WTOと環境 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ CIDA(カナダ)、NORAD(ノルウェー)
     
  生態安全(Eco-Security) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・  同 上
     
  循環経済とクリーナープロダクション ・ ・ ・ ・ ・ GISPRI(日本)
     
  環境産業の発展 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ GTZ(ドイツ)
     
  環境インフラ整備のための資金メカニズム・ ・ OECC(日本)
     
  企業発展と環境 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ オランダ政府
     
  エネルギー戦略と技術 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ CIDA(カナダ)
     
  森林と草原 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ Ford財団、世界銀行、WWF、豪州政府他
     
  環境経済学 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 英国政府、NORAD(ノルウェー)

(5)提言について
     
  Lead Expertが作成したたたき台をもとに討議が行われた。
     
  提言は「持続性ある発展への移行」と「TF報告に基づく政策提言」の二部構成となっており、そのうち「持続性ある発展への移行」の章立ては以下のとおり。

  ○環境、発展、ガバナンス

  ○持続性ある国民経済

  ○持続性ある発展のための教育と知識

(6)朱鎔基・国務院総理との面会
     
  議事が終了した25日午後、カウンシルメンバーとTF共同議長らは中南海を訪問し、朱鎔基総理と面会・懇談した。


3.チャイナカウンシル・CE&CPTF 第1回会議[2002年12月13~16日、於:瀋陽]

(1) チャイナカウンシル・CE&CPTFについて

・CE&CPTFは、第2フェーズでの「クリーナープロダクションWG」を引き継ぐ形で発足したもので、クリーナープロダクションと循環型経済導入のための長期戦略の検討や導入ツール及び導入メカニズム/システムに関する研究を行う。そして検討結果と中国政府に対する提言案を2003年秋のチャイナカウンシル本会議に提出する。

・正式メンバーは、慶應義塾大学・井出亜夫教授と清華大学・銭易教授を共同議長として、欧米・中国の専門家各5名。
(2) CE&CPTF第1回会議への参加者
     
  井出・銭両共同議長の他、正式メンバーとして席・清華大学教授、陸・中国工学院院士、諸・同済大学教授、Brewster・イェール大学森林環境研究院長、Laoカナダ=中国クリーナープロダクション協力プロジェクト代表らが参加。
     
  他に、周・国家経済貿易委員会資源節約綜合利用局副局長、文・遼寧省環境保護局副局長、木村GISPRI専務理事、Dietmar中国=ドイツ政府技術協力プロジェクト・浙江省企業環境保護事務所・プログラムダイレクターらがゲスト/オブザーバー参加した。

(3) 議事及び活動概要
     
  2003年秋に開催されるチャイナカウンシル本会議への活動報告及び提言案の提出に向けてCE&CPTFの活動計画について討議した。そして、今後の活動日程、活動報告及び提言案の梗概、今後の検討用たたき台の作成分担とそのタイムスケジュールを決定した。
     
  遼寧省政府が傘下政府機関及び市の代表者約200名を招集して開催した「循環経済学術報告会」に参加し、木村GSPRI専務理事が「循環型社会構築に向けた日本政府の取り組み」と題する講演を行ったほか、席教授、陸院士、諸教授が講演を行った。
     
  鞍山鋼鉄集団、瀋陽金杯通用(Jinbei GM)汽車を見学すると共に、循環型経済構築に向けたそれぞれの取り組み状況について説明を受けた。また、瀋陽市環境保護局から同市の取り組みについて説明を受けた。

(4) 次回の開催予定
     
  第2回会議は、2003年2月19~23日に上海において開催される予定。

(文責:佐々木 亨)

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