2007年4号

日・EUビジネス・ダイアローグ・ラウンドテーブル2007年次会議 参加報告



 2007年6月3日~4日、ドイツ・ベルリン:BDI本部において、第9回目となる日・ EUビジネス・ダイアローグ・ラウンドテーブル2007年次会議(以下BDRT)が開催された。BDRTは日本と EUのビジネスリーダーが様々な分野において提案をし、それを「提言」として両政府に提出することを 主な目的としている。
 
 日本側議長の岡村正氏(東芝取締役会長)、EU側議長ジョルジュ・ジャコブス男爵(UCB 会長)他、EU側から9名、日本側から13名が参加した。その他、プリンシパルメンバーのシェルパ、政 府関係者、オブザーバー、事務局を合わせると両日で100名以上が参加した。GISPRIからは、福川伸次 顧問(日本側プリンシパルメンバー、WP4(WTO)リーダー)及び角野光治(福川顧問のシェルパ)が出席 した。
 
 6月3日は各ワーキングパーティー(WP)のプレゼンテーションが行われ、提言書および プレスリリースの承認が行われた。各WPのテーマは、WP1:貿易と投資、WP2:会計と税制問題、WP3: ICT(Information & Communication Technology)、WP4:WTO、WP5:ライフサイエンスとバイオテクノロ ジー(LS&BT)、WP6:持続可能な発展となっている。WP4では、BDRTはWTOドーハ開発アジェンダ (DDA)交渉の強力な支持者として、欧州委員会ならびに日本政府に対して、今年末までに交渉が締結さ れるために最大限の努力を発揮することを要請した。
 
 6月4日は民間セッションとして、WTOドーハ開発アジェンダ(DDA)交渉、日EUの経済協力 、イノベーション、およびエネルギー・気候変動といった日EU産業界に影響を与える主要課題について 議論された。BDRTは欧州委員会ならびに日本政府に対して、日・EU間の経済統合協定(EIA)のフィー ジビリティーを調査するためのタスクフォースを産業界の支援の下に設立することを提言した。また、 ポスト京都議定書の枠組みは、米国、中国、インド等の排出大国の参加が必須であり、これを実現する ため、国別絶対値目標に代わって、エネルギー効率指標に基づくセクトラルアプローチが代替案となり うることを提言した。
 
 民間セッション終了後、日本政府及び欧州委員会代表を迎えての官民合同セッションが 行われ、日本政府からは山本幸三経済産業省副大臣、松島みどり外務大臣政務官、清水英雄総務相総務 審議官、欧州委員会からはギュンター・フェアホイゲン副委員長(企業・産業担当)、ドイツ連邦政府 からゲオルグ・ブームガーデン外務副大臣が出席した。
 
 6月5日には両共同議長が、BDRTの提言書を日EU首脳であるアンゲラ・メルケル・ドイツ 連邦首相、安倍晋三日本国首相、およびジョゼ・マヌエル・バローゾ欧州委員会委員長に手渡した。
 
 なお、次回のBDRT会合は2008年初夏に東京で開催される予定である。

以上

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