2008年4号

日・EUビジネス・ダイアログ・ラウンドテーブル2008 年次会議出席報告



 2008年7月3日~4日、ザ・プリンスパークタワー東京において、第10回目となる日・EUビジネス・ダイアログ・ラウンドテーブル2008年次会議(以下BDRT)が開催された。BDRTは日本とEUの産業界が種々の分野において共同提案をまとめ、それらを「提言」として両政府首脳に直接提出することを主な目的としている。

 日本側は共同議長の佐々木元氏(日本電気取締役会長)をはじめ13名、EU側は共同議長ジョルジュ・ジャコブス男爵(UCB会長)を含め10名のプリンシパルメンバーが参加した。会合には、プリンシパルメンバーのシェルパ(個人代表)、政府関係者、オブザーバー、事務局を合わせると両日で総計143名が参加した。 GISPRIからは、福川伸次顧問(日本側プリンシパルメンバー、WP4(WTO)リーダー)及び林宏之(福川顧問のシェルパ)の2名が出席した。

 7月3日は各ワーキングパーティー(WP)の報告が行われ、提言書およびプレスリリースの承認が行われた。各WPのテーマは、WP1:貿易と投資、WP2:会計・税制、WP3:情報通信技術、WP4:WTO、WP5:生命科学とバイオテクノロジー、WP6:サスティナブル・ディベロップメントである。 WP4では、BDRTはWTOドーハ開発アジェンダ(DDA)交渉を強力に支持するとともに、グローバルな経済成長にとってWTOは不可欠であり、関税の引き下げもしくは撤廃、農産品、サービス分野のさらなるアクセス向上、新興経済国の一層の責任分担が必要であり、今年末までの交渉妥結を強く求めることを提言書に明記している。

 7月4日は民間セッションとして、セッション1:昨年のBDRTで提案された日EU間のEIA(経済統合協定)タスクフォースの報告、セッション2:日EUの挑戦、セッション3:新興市場における日EU協力関係が討議された。 セッション1のEIAに関しては特に関税の撤廃をめぐって日EU間の合意が得られず、両者の考え方の相違が浮き彫りとなった。本件はBDRTの場で今後も協議を続けることが確認された。 セッション2は日本側の福川顧問が司会を担当し、研究開発とイノベーション、金融サービス、気候変動と再生エネルギー開発の3つの主題で、活発な議論が展開された。

   民間セッション終了後、日本政府及び欧州委員会代表を迎えての官民合同セッションが行われ、日本政府からは木村仁外務副大臣、新藤義孝経済産業省副大臣、佐藤勉総務副大臣、欧州委員会からはヒュー・リチャードソン駐日欧州委員会代表部代表大使、フィリップ・フォール駐日フランス大使が出席した。

   7月4日午前には首相官邸において両共同議長から、BDRTの提言書を日EU首脳である福田康夫日本国首相、欧州委員会リチャードソン大使に手渡された。

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