2002年1号

平成13年度地球産業文化委員会開催報告

平成13年度地球産業文化委員会が平成13年12月19日に地球産業文化研究所会議室において開催されたので、概要を報告する。


1.出席者(敬称略,五十音順)

(委員長)   木村尚三郎
(委 員)   阿比留雄、岩男寿美子、河野光雄、福川伸次、森嶌昭夫
(講 師)   大内穂・秀明大学教授、西條辰義・大阪大学教授、戸瀬信之・慶応義塾大学教授、山影進・東京大学教授
(陪 席)   大井篤・経済産業省大臣官房審議官、杉田定大・経済産業省大臣官房政策企画室長、関口訓央・同企画主任補佐


2.議事

 定刻に開会、木村尚三郎委員長の司会・進行で、1号議案及び2号議案について審議が行われた。

議案1号 平成12年度研究委員会成果の件
(1)平成12年度研究テーマ総論
 照井理事より資料「平成12年度実施研究成果概要」に添い、各テーマの実施概要が報告された。

(2)研究委員会からの成果報告
「貧困解決に向けた課題とグローバルガバナンスの役割」
 大内講師は、貧困問題が多様な要因によることを強調し、各貧困地域での処方箋を具体的に説明。貧困問題の根本的解決にはグローバルな協力と被援助国内の民主化が必要であり、それを基とした貧困層の自発的克服努力を促す支援が重要との研究成果を報告した。日本の貧困援助の国・具体的評価、グローバルガバナンスとローカルガバナンスとの関係等の質疑応答があった。

「ASEAN統合と新規加盟国問題」
 山影講師は、カンボジア、ベトナム、ミャンマー、ラオスの新規加盟がASEAN統合の阻害要因となる中で、統合推進は日本を含む東アジア地域にとって重要であり、今後の日本の関わりは、対東アジア戦略の中で捉えていく必要性を指摘した。統合を国体形成より先行させることが統合体形成の実現を早めよう、との見通しに対する質疑応答があった。

「グローバル市場競争時代における教育・人材育成のあり方」
 戸瀬講師は、1960年代からの学童・学生の学力に関する国際比較の推移を示し、日本の学力の近年における著しい凋落傾向を指摘、「ゆとり教育」など、これまでの文部省施策の誤りを主因とするものとする委員会での結論を報告した。

「国際排出権取引市場制度設計の検討」
 西條講師は、被験者を用いた排出権取引実験研究から、排出権取引制度における責任制度が市場の効率性に与える影響が明らかされたことを報告した。具体的には(a)「売手責任」、(b)「管理先買手責任(相手国より議定書管理機関に対する義務履行が優先)」、(c)「国先買手責任(相手国との債務履行が優先)」の3つの責任制度を比較し、4つのパターンを観測した上で、(c)が性能的に優れていることを示した。

議案2号 地球産業文化研究所長期戦略の件
 木村専務理事より、「地球産業文化研究所の長期戦略(案)」を説明、平成14年度新設テーマに関し、質疑応答、が行われ、研究所長期戦略案が承認された。

 委員会は、定時に議事を終了、閉会した。
(文責:竹林 忠夫)

地球産業文化委員会名簿(敬称略、五十音順)
委員長   木村尚三郎   (東京大学 名誉教授)
委 員   阿比 留雄   (日本原子力発電(株) 会長)
    石井 威望   (東京大学 名誉教授)
    岩男寿美子   (武蔵工業大学環境情報学部 教授)
    牛尾 治朗   (ウシオ電機(株) 会長)
    茅  陽一   ((財)地球環境産業技術研究機構 副理事長)
    公文 俊平   (国際大学グローバルコミュニケーションセンター教授)
    河野 光雄   (内外情報研究会 会長)
    香西  泰   ((社)日本経済研究センター 会長)
    小島  明   (日本経済新聞社 常務取締役)
    中西 輝政   (京都大学総合人間学部 教授)
    中村 桂子   (JT生命誌研究館 副館長)
    福川 伸次   ((株)電通 電通総研研究所長)
    森嶌 昭夫   ((財)地球環境戦略研究機関 理事長)
    薬師寺泰蔵   (慶応義塾大学法学部 教授)
(平成13年12月 現在)

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