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1994年3月号

アジア太平洋共同体(APIC)構築のための
ワシントン会議に出席して


 標記会合が昨年ワシントンに於て開催され、わが国より、田淵野村証券相談役、大前マッキンゼイ日本会長、船橋朝日新聞ワシントン総局長とともに、当研究所より清木が出席した。

 アジア太平洋地域が真実の意味で地域協力を進めるためには、当該地域の知識人の連帯が不可欠と思われるが、これにはアジア各国に存在する所謂“マンダリン文化”(官優先)や過去の植民地支配による宗主国の影響等の要因から、この地域のシンク・タンク、ジャーナリズム、大学等の知識人は分断されており、連帯を語るには時期尚早の感があった。

 しかし、APECの進展が文化交流や知識人交流の方向に進みはじめているこの機を捉え、中島平和財団のイニシアティブにより、今回、米、日、アジアの関係者が一同に会して、今後数年間に亘り、APICの創設をめぐって意見を交わすフォーラムの設立が実現を見たものである。

 今回は第一回顔合わせというニュアンスがあったが、当研究所としても、この分野でのイニシアティブを執っていく必要があると思われる。

 他にも出席者として、F.バーグステンIIE所長、R.ゼーリック前国務省次官、韓国駐米大使、ファン・アクト在米EC代表、ガーゲン大統領広報担当補佐官、入江昭ハーバート大学教授等が参加した。