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1994年6月号

会員企業の環境への取り組み(14)
日産自動車株式会社


   同社は1993年3月、「環境行動計画」を策定した。

 その環境理念は『人とクルマと自然の共生』である。基本方針はより良い環境を子孫に残していくことが大切と考え「創造的取り組み」を継続し、クルマの一生の各段階で、環境保全のために「総合的な取り組み」を行い、国内外の行政、企業、大学や研究グループ等と「協力を大切にする取り組み」を進める、としている。

(1)「クリーンなクルマづくり」を掲げる。ガソリンや軽油を燃料として走るクルマやその製造工程からは、窒素酸化物他環境に影響を及ぼす物質が排出されている。これらの物質の排出をより低減させる技術の開発とその実用化を推進するとともに、よりクリーンな代替エネルギーの利用に向けての可能性を追求する。

(2)「省資源・省エネルギーの推進」として、エンジンの効率を良くしたり、走行時の抵抗を少なくしたり、また、工場ではエネルギー消費の少ない生産工程の開発や導入を進め、製造段階で工程内リサイクルや排出物の再資源化を推進する。

(3)「社会環境との調和を高める技術の結集」として、最適なルートをドライバーに伝える情報通 信システムや、物流システムの改善等、ソフト面の研究・開発にも取り組む。

(4)「グローバルな視野で考えた対応」として、クルマの使用や生産に於けるCO2の排出を抑えるための省エネルギーや特定フロンの廃止等可能なところから積極的に取り組む。

(5)「積極的な情報の交流と情報提供」として、行政や他産業、大学などとの情報交換やパンフレット、対話を通 じて情報発信を積極的に進める。

(6)「環境を大切にする意識の向上と定着」として、従業員の啓発・教育活動を推進するとともに環境保全に対する前向きな姿勢を持つ企業風土を育てる、としている。