地球環境
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CDM理事会第7回会合 検討事項
2003年1月20〜21日, ボン・ドイツ


2002年12月26日
文責:蛭田 伊吹
1) 議長及び副議長の選出(agenda item:2)
 
  理事会の議長及び副議長は毎年、年明け最初の会合で新しく選出されることになっている。1人は非附属書I国から、もう1人は附属書I国から選出され、役職は毎年交代される。2002年は非附属書I国からのメンバーが議長だったため、2003年は附属書I国からのメンバーが議長に就く。


2) 作業計画(agenda item:3)
 
(a) 運営機関の信任について

  第6回会合ではCDM-APのKilani議長より運営機関信任の手順ガイドラインを更に明確にしなければならない旨が指摘され理事会も賛成した。それに伴い、11月30日まで当ガイドラインはパブリックコメントが受け付けられ3件の意見が寄せられた(CDM公式サイト参照)。また12月6−7日にはCDM-APの第4回会合が開催された。

  第7回会合ではパブコメ及び第4回会合での議論をもとに改訂されたガイドラインが提出されることとなった。改訂版ガイドラインは2003年1月6日までにAgendaのAnnex Iとして公表される。理事会は改訂版ガイドライン及びパブコメについて検討し、今後のCDM−APの活動方針を提案する。

(b) ベースライン及びモニタリングプランの方法論について

  第6回会合の際、Meth Panelは第7回会合までに以下の文書を提案するよう理事会から要請され、またそれとは別に以下の文書について11月30日までパブリックコメントを受け付けることが決定された。

  A. CDM-PDDのグロッサリー

  B. SSC-PDD

  C. SSCの簡易化された方法論の指標的リスト(Indicative List)

  D. デバンドリング回避のための規定

  Meth Panelは11月27−28日にパリにて第3回会合を開催し、以上の文書(最終版)を作成し12月5日に提出・公表した。またパブコメは17件提出された。

  第7回会合では、以上の文書及びパブコメについて検討及び合意し、今後のMeth Panelの活動方針を提案する。

(c) CDMプロジェクト活動に関連した問題について

  理事会はCDMのための方法及び手順(M&P)の5(o)項に基づき、CDMプロジェクト活動の登録(41項)及びCER発行(65項)の段階におけるレビュー実施手順についてCOP/MOPに対し提案を行わなければならない。また、この提案はCOP/MOPで採択されるまでは暫定的に適用されることとなる。

  プロジェクト活動の登録要請が差し迫っていることから、第7回会合では「レビュー手順」(草案)を以下の点を考慮しつつ作成し、今後の活動方針を決定する。
     
  A. CDM M&Pでは、3名以上の理事会メンバーないし参加締約国が抗議を表明した際にレビューが行われると規定されているが、どのような方法(form)で表明するべきなのか?理由も表明する必要があるのか?その理由は公表されるのか?
     
  B. プロジェクト参加者及びDOEはいつレビュー要請に対して返答する機会を提供されるのか?このプロセスの時間枠は?もし更なる情報を提供する機会が与えられたならば、この情報はどの程度公表されるのか?
     
  C. DOEに関連した問題はどのように取り扱われるべきか?この問題と信任プロセスとの関連は?
参考:決定17/CP7 京都議定書12条に定められるCDMのための方法及び手順
FCCC/CP/2001/12/Add.2 GISPRI仮訳から抜粋

41.理事会による登録は、当該事業活動参加締約国ないし、理事会メンバーのうち3名以上が当該CDM事業活動案のレビューを求めなければ、理事会が登録要請を受け取った日から8週間後に終了すると見なされる。理事会によるレビューは、以下の規定にしたがって行われるべきこと。
     
  (a) 確認要件に関わる問題に関係していること。
     
  (b) レビュー要請後2回目の会合までに、事業参加者と一般の人々に結果と理由を伝えて、完了すること。

65.事業活動参加締約国、あるいは理事会メンバーのうち3人以上がCDM事業活動案のレビューを要請しなければ、発行依頼受領日から15日後に発行が終了すると見なされるべきこと。このようなレビューは、任命された運営機関の詐欺・不法行為・無能力という問題に限定され、以下の通り行われなくてはならない。
     
  (a) このようなレビューの要請を受けたら、次回会合において理事会は取るべき行動について決定すること。その要請が正当であると決定した場合は、理事会はレビューを行い、提案されているCERの発行を承認すべきかどうかを決定すること。
     
  (b) 理事会は、レビューを行う決定後30日以内にレビューを終了すること。
     
  (c) 理事会は、事業参加者に対しレビューの結果を報告し、提案されているCER発行の承認についての決定とその理由について公表すること。

(d) SBSTAとの協力について

     
  吸収源CDMについての検討はSBSTAで行われており、各国意見をもとに事務局がオプションペーパーを作成したところである(FCCC/SBSTA/2003/5,6,7)。この問題に関しては、2003年2月12−14日にブラジル(Iguacu)にてワークショップが行われる。理事会からはStehr氏がSBSTAの活動についてフォローしている。
     
  CDM登録簿に関しては、COP8にて各登録簿システムのデータのやり取りに関する技術基準の一般設計書がCOP/MOPに提案され、COP/MOPでの採択を待っている状況である。またCOP9までに、国別登録簿・CDM登録簿・取引ログ間でのデータのやり取りの詳細な方法を事務局が検討しなければならない。特にCDM登録簿はCOP9までに必要なことから、特にCERの発行と記録機能を中心とした暫定的なCDM登録簿を検討する必要がある。登録簿に関する活動はPluzhnikov氏とSalamat氏がフォローしていたが、Salamat氏の辞任に伴い、彼のポストを引き継ぐメンバーを任命する必要がある。


3) その他(agenda item:4)
 
(a) 理事会の規約について

  今後もレビューを行い、能率・費用効率・透明性を高めるためであれば必要に応じて修正を行う。

(b) スケジュール

  第6回会合で暫定的に決定された2003年の会合スケジュールの採択を行う。

(c) 資金

  第6回会合で議論された2003−2004年予算の修正案(CDM‐AT名簿に掲載を許された非附属書I国からの専門家がCDM-ATの作業に同行する予算、及び3月に理事会会合と合同で行う理事会・CDM-AP・CDM-ATのジョイントワークショップの予算も含む。)を事務局に提出してもらう。また、各国にはCDMの運営のために融資を呼びかける。

(d) 理事会メンバーの交代
     
  第6回会合にてSalamat氏が辞任したのに伴い、アジア地域からHassan Tajik氏がCOP8にて選出された。同氏の誓約書は12月10日に受領されたことから、第7回会合ではTajik氏がメンバーに加わる。
     
  2002年11月12日付けでAl Sunaid氏(alternate member)が辞任を表明し承認されたのに伴い、アジア地域からFareed Al-Asaly氏が候補に上げられた。第7回会合でこの新しいメンバーが決定される。

(e) 政府間・非政府団体との関係

  第6回会合と同じく、政府間・非政府団体に対し非公式説明会を2003年1月21日午後に行う。

以上