地球環境
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第8回CDM理事会会合 検討事項
2003年3月19-20日 ボン

2003年3月10日
文責:蛭田伊吹
1) 作業計画(agenda item:3)
(a) 運営機関(OE)の信任について
_ John Kilani CDM-AP議長(南アフリカ)からOE信任活動の進捗状況及びその他作業についての報告され、同時にCDM-ATの委任条項の改訂に関するCDM-AP提案についても発表される(Annex 1概要参照)。
  「運営機関信任手順」に従い、2003年2月4日より申請している運営機関(AOE)の名前と申請スコープがCDM公式サイトに掲載された。随時コメントや情報を受け付けているが今のところ投書はない。CDMEB08では、事務局より進捗状況が報告される。
  CDMEB事務局から信任手順に関する費用問題について報告がある。
Annex 1 CDM-ATの委任条項に関するCDM-AP提案(概要)
作業内容
AOE又は指定運営機関(DOE)の評価を実施し、CDM-APに評価報告書を提出する。ATはAOE/DOEの特徴や申請しているsectoral scopeによって編成される。具体的作業は以下のとおり:
・ デスクレビュー
・ 作業計画の確定(特に範囲及びオンサイト評価を含むwitnessing活動の確定)
・ witnessingの回数決定
・ オンサイト評価及びwitnessingの実施
・ 活動の実施に関する有効性確認、抜き打ち評価の実施
・ 暫定的評価報告書及び本評価報告書の作成
・ CDM-APへの提案

作業方法
事務局が専門家の履歴付き名簿を管理し、必要時にad hocベースでリーダーを含むチームの候補者をCDM-APに推薦する。CDM-APはチームメンバーを任命する。CDM-ATはCDM-APの指示の下作業しなければならない。CDM-ATの規模や構成はscopeや評価作業の複雑度等によって異なる。

専門家の適性条件
「京都議定書の知識がある」「信任作業に2年以上の経験を有する」「あらゆる団体との癒着がない」等基本的な条件から、「信任活動に関する法的規制に詳しい」「特定のsectoral scopeの技術的知識を有している」等条件までリストされている。又、作業にかかった費用等はCDMEBより支払われる。
(b) ベースライン方法及びモニタリング計画について
  MethパネルのGylvan Meira Filho議長(ブラジル)が辞任することから、Becker副議長(フランス)から作業の進捗状況、及びCDM-PDD version1及びSSC-PDD version1の一貫性について見直しを行った結果が報告される。PDDの新たな修正点等についてはCDMEB08で合意する。
(c) CDMプロジェクト活動の登録について
  CDMEB07で決定したとおり、Georg Borsting氏(ノルウェー)、Chow Kok Kee氏(マレーシア)、Abdelhay Zerouali氏(モロッコ)によってレビュー手順を含む登録関連問題に関するドラフト・ペーパーが作成された(Annex 2参照)。CDMEB08では同3氏によってペーパーが発表され、理事会は今後の活動について合意する。
Annex 2 CDMプロジェクト活動の登録に関するドラフト・ペーパー(概要)
セクションI イントロダクション
セクションII 有効化(validation)条件の明確化及び登録要請の提出手順について
1. DOEがPDDやその他の補助文書に目を通し有効化条件を満たしているか確認
2. PDDの公開(DOEのサイト?UNFCCCサイト?)及びコメント受付
3. コメント受付終了後有効性を確認
4. プロジェクト参加者に確認結果を報告
5. DOEがF-CDM-REG(CDMEB06で合意された登録用紙)、PDD、ホスト国承認書簡、コメントへの対応を説明した文書を含む有効化報告書をCDMEBに提出し登録要請
6. 有効化報告書の公開
有効化報告書の形式案(F-CDM-VAL?)、受取日(登録料の振込日?)、サイト掲載期間(8週間?登録されたら印を付けて掲載?)、告知方法に関してはCDMEB08で検討。
セクションIII 見直し手順について
1. 登録要請後8週間、プロジェクト活動に関係する締約国ないし理事会メンバーの3名以上から見直し要請(締約国はDNA経由、メンバーはlist-serve経由)がなければ登録。
2. 見直し要請があれば次会合アジェンダに含まれ、担当DOE及び参加者に連絡される。担当DOE及び参加者は質問に答える担当者をそれぞれ決定する。その後2回目の理事会会合までに検討を終了させる。
3. 要請があった後最初の会合で理事会は見直しの有無、見直し部分、明確化させる内容、見直し担当者(理事会メンバーから2人)、パネル及び外部専門家の特定について合意する。
4. 担当DOE及び参加者は理事会の質問に対し5営業日のうちに返答を提出する。
5. 理事会の担当者は少なくとも会合の2週間前までに見直し報告書及び提言を作成し、list-serveで理事会に提出する。
6. 理事会は提言を検討しプロジェクトの登録について決定する。もしプロジェクトが却下されても指摘箇所を訂正すれば再登録要請が可能。担当DOEの不正・不適格によりプロジェクトが却下された場合には、担当DOEに抜き打ち評価を行い結果によっては営業を停止させる。
7. 見直し費用に関しては、1)理事会が負担し、担当DOEに落度があった場合には担当DOEが負担する、2)理事会が全面負担する、3)費用が登録料のX%以上かかった場合は担当DOEが超過部分を負担する、の3オプションが提示されている。
(d) CDM登録簿について
  CDMEB07で理事会は、Sushma Gera氏(カナダ)及びXuedu Lu氏(中国)にSBSTAで行われている登録簿と取引ログに関する作業・議論を追うように指示し、又、事務局には当問題の進捗状況をまとめるよう指示した。CDMEB08では進捗状況が発表され(Annex3参照)、今後の作業について検討される。
Annex 3 取引ログ及びデータ交換基準に関する進捗状況について(概要)
 COP8で国別登録簿、CDM登録簿、及び取引ログ間の正確で透明性のあるデータ交換のための技術基準が採択されたことで、現在全ての登録簿に導入できるデータ交換基準の特定作業が進められている。

  当作業はCOP9(2003年12月)までに完了し、取引ログの導入と試験もCOP10(2004年)までに完了すると予定されているが、それに先立ち、最初の認証報告書(CERs発効要請)が2003年中旬にCDM理事会に提出されることが予測されるため、CDM理事会はCERsの取り扱いについて以下のような手引きを作成した。
(a) 取引ログの設立及びデータ交換基準の特定が完了する前でもCERsの暫定的発行は可能。CERsは暫定CDM登録簿を通して提供されるが、正式発行は取引ログ並びに自動確認が作動するようになってから確認される。同登録簿内に附属書I国及びそれらの国の民間・公的団体の口座を設けることは可能。その中で発行済CERsを送付してもよい。
(b) 暫定的に発行されたCERsは後日正式なCERsとなる資格を有する。このことをより明確にするために、必要ならばCDM理事会が誓約書を発行する。
(c) 暫定的CDM登録簿は、他の登録簿システムとデータ交換を行わない部分(口座、CERsの暫定的発行、CERsの分担計算及び分離、CERsのCDM登録簿内送付、CDM情報管理システムとのリンク、公開等)の開発をまず集中的に行い、その後他の国別登録簿や取引ログとのリンクやセキュリティー措置等の開発を行う。
(d) 事務局はCDM登録簿の開発オプションを模索すると同時に情報管理データベースの開発も行っている。
(e) 吸収源CDMについて
  2003年2月12〜14日に吸収源CDMに関するワークショップがブラジル(Foz do Iguacu)で開催された。CDMEB08ではCDM理事会代表として参加したEduardo Sanhueza氏(チリ)が報告を行う。
(f) その他
 
A. 理事会メンバーについて
  Franz Tattenbach Capra CDM理事会副議長(コスタリカ)から、2002年11月12日に辞任したAbdulmuhsen Al-Sunaid氏(サウジアラビア)の交替メンバーの候補が発表される。理事会は、交替メンバーの任命、並びに2003年2月7日に辞任表明したFilho Methパネル議長の辞任の受け入れを行うと共に、同氏の交代メンバーの任命作業について合意する。
B. 会合日程
  CDMEB07Annex8で調整された会合日程について、更に検討を行う。(CDMEB09の予定は、2003年4月25〜26日、ボン)
C. 政府間機関及びNGOとの関係
  CDMEB082日目(20日)午後に非公式報告会を行う。
以上