地球環境
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Vol. 12 No. 280
2005年11月28日、月曜日

第11回国連気候変動枠組条約締約国会議および
第1回京都議定書締約国会合

2005年11月28日―12月9日



京都議定書第1回締約国会合(COP/MOP1)は、2005年11月28日から12月9日、カナダのモントリオールで開催される。この会合は、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第11回締約国会議(COP 11)と合わせて開催されるもので、両方の会議には1万名もの参加者が集まると見られる。

COP/MOP1では、締約国は、議定書の詳細な運用に関する未決事項について、決定書の議論および採択を行う予定であり、これら未決事項には、遵守関連の手順、さらには、各締約国の排出量目標達成を支援するための「柔軟性メカニズム」ガイドラインが含まれる。メカニズムの議論では、共同実施(JI)監督委員会、クリーン開発メカニズム(CDM)理事会の提案などの問題が討議される。COP/MOPの議題にはこの他、適応基金、2013年以後(議定書第一約束期間の終了後)の将来約束が含まれる。多様な方法論、管理上の問題、資金・組織上の問題なども取り上げられる。

COP 11の議題には、キャパシティビルディングと技術移転、途上国および後発発展途上国における気候変動の悪影響が含まれ、その他、地球環境ファシリティー(同条約の資金供与制度を担う)の報告を含めた資金・予算関連の議題も数件議論される。UNFCCC補助機関も11月29日から12月6日に会合する予定である。COPおよびCOP/MOPの合同閣僚級会合は、12月7-9日に開催される。
UNFCCCと京都議定書の簡単な歴史
気候変動は、持続可能な開発に対する最も深刻な脅威の一つと考えられており、環境、人の健康、食料の安全保障、経済活動、自然資源、物理的なインフラに悪影響を与えることが予想される。地球の気候は自然にも変動するが、科学者たちは、人為的な温室効果ガスの濃度が地球大気中で上昇しており、これが気候の変動に結びついている点で意見が一致している。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、気候変動の影響効果はすでに観測されており、科学的な発見事項は、予防的かつ速やかな行動が必要なことを示している。

国際政治上の気候変動への対応は、1992年のUNFCCCの採択から始まる。UNFCCCは、気候系への「危険な人為的干渉」を回避するため、温室効果ガスの大気中濃度を安定化することを目的とした行動枠組を設定する。管理の対象となるガスには、メタン、亜酸化窒素、そして特に二酸化炭素が含まれる。UNFCCCは1994年3月21日に発効、現在189の締約国を有する。UNFCCCの締約国は、通常、一年に1回、締約国会議(COP)で会合するほか、二つの補助機関―実施に関する補助機関(SBI)および科学・技術上の助言に関する補助機関(SBSTA)―の年二回の会議でも会合する。

京都議定書:1997年12月、締約国政府代表は日本の京都でのCOP3で会合し、先進国および市場経済への移行途上の国が排出削減量目標の達成を約束するUNFCCCの議定書について合意した。UNFCCCの下では附属書I締約国として知られるこれら諸国は、2008年から2012年(第一約束期間)の間に、6つの温室効果ガスの全体排出量を1990年の水準より少なくとも5.2%削減し、各国別に特定の目標を有することで合意した。また議定書は、附属書I締約国が費用効果の高い形で自国目標を達成できるよう、それを支援する3つの柔軟性メカニズムを設定する:排出量取引システム;附属書I締約国同士の排出削減プロジェクト(JI);そして非附属書I(途上国)締約国での排出削減プロジェクト実施を認めるCDMである。COP3以後、締約国は、各国による排出量削減の方策、ならびに排出削減量測定の方法に関わる多くの規則および運用詳細について、交渉を開始した。これまでに157の締約国が京都議定書を批准しており、これには、1990年の附属書I締約国温室効果ガス総排出量の61.6%を占める37の附属書I締約国が含まれる。京都議定書は、2005年2月16日に発効した。

ブエノスアイレス行動計画:1998年のCOP 4では、議定書の規則と運用規定の詳細を最終決定するプロセスに関して、ブエノスアイレス行動計画(BAPA)として知られる決定書の合意がなされた。同計画は、これらの規則および運用規定の詳細、そしてUNFCCCの実施強化に関する最終合意の期限をCOP-6と設定した。2000年11月、締約国は、オランダのハーグでのCOP6で会合し、交渉の終結を目指した。しかし終結にはいたらず、各国代表は、COP 6を2001年7月まで中断し、ドイツのボンで再度会合することとした。さらなる議論の末、各国政府代表は、ボン合意という政治決定の採択で合意した。この決定により、京都議定書の実施に関するハイレベルな政治的方向性は定められたが、一部の問題に関する文書の最終決定には至らず、各国政府代表は、決定書草案をCOP 7での最終決議にゆだねることで合意した。

マラケシュ合意:2001年10月末から11月初め、政府代表はCOP7において議論を再開し、マラケシュ合意に関する合意に達した。同合意書は、COP/MOPで採択されるべき一連の決定書草案で構成され、次の項目に関する詳細を定めている:柔軟性メカニズム、土地利用・土地利用変化・林業(LULUCF)、京都議定書の遵守。同合意書は、キャパシティビルディング、技術移転、気候変動の悪影響への対応、3つの基金―後発発展途上国(LDC)基金、特別気候変動基金(SCCF)、適応基金―の設置を含めた途上国への支援策も取り上げている。

各国政府代表は、マラケシュ合意書に則り、次の追加合意を目指した:
COP8およびCOP9では、CDM理事会の規則および手順、そしてCDM規定の新規植林および再植林プロジェクト活動の方法と手順に関する合意。また締約国は、IPCCの第三次評価報告書での発見事項をUNFCCCの作業にどう取り入れるかを議論し、適応と緩和に注目する新しい2つの議題項目について合意した。

COP10:2004年12月、ブエノスアイレスでのCOP 10で、各国政府代表は、適応策と対応措置に関するブエノスアイレス作業計画に合意した。また締約国は、技術移転、LULUCF、UNFCCCの資金供与制度、教育・訓練・啓発に関する決定書も議論したが、一部の問題が未解決のまま残された。これら未解決の問題には、LDC基金、SCCF、議定書2.3条(政策措置の悪影響)が含まれる。一方、2013年以後での気候変動との戦いにおいて、各締約国がどのような約束を行うかという、複雑かつ微妙な問題に関し、長時間の交渉が行われた。京都議定書は、各締約国が2013年以後の問題の検討を、2005年までに開始するよう求めている。各国政府代表は、2005年5月のSB22の前に政府専門家セミナーを開催することで合意したが、本セミナーの開催趣旨の中には、2013年以後や新しい約束についての特別な言及はなされなかった。

政府専門家セミナーおよびSB22:政府専門家セミナーは、2005年5月、ボンで開催された。各国政府代表は、気候変動プロセスが直面する広範な問題のうち、将来枠組や2013年以後の約束の問題を含めた一部についての議論を開始した。セミナーに引き続き、第22回補助機関会合(SB22)が開催された。これらの会合では、COP11およびCOP/MOP1に向けた準備作業に焦点があてられ、予算問題から適応や緩和にいたる多様な問題も取り上げられた。各国政府代表は、2006-2007年度のプラグラム予算を、原案より175万米ドル削減した水準とすることで合意した。しかし、SCCFに関する議論は終了しなかった。


COP11までの注目事項

G8サミットおよび閣僚協議:2005年7月8日、スコットランド、グレンイーグルズでのG8サミットに集まった各国首脳は、人類が気候変動に深刻な影響を与えていることを認め、技術革新、エネルギー効率化、保全、クリーンな技術の促進を約束するコミュニケに合意した。サミット参加者はこのほか、「気候変動、クリーンなエネルギー、持続可能な開発に関する対話」を進めることでも合意した。2005年11月1日、英国のロンドンで、この対話の第1回閣僚級会合が開催された。20カ国のエネルギーおよび環境担当の閣僚が出席し、エネルギー技術および低炭素経済達成へのステップに焦点が当てられた。一部の報道によると、この協議で、技術的な解決法や民間部門の参加に注目が集まったことは、EU、米国、その他の経済大国が、京都議定書で設定された拘束力のある目標についての意見の相違にかかわらず、何らかの共通点を見つけだそうと努力している最近の傾向を表すものである。ロンドンでの対話は、主要な数カ国間での政策上の違いを議論することを目的に8月半ばにグリーンランドで開催された非公式閣僚級会合に続くものであった。

クリーンな開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ:7月28日、技術を中心とした解決策で気候変動と戦おうとする、新しい6カ国パートナーシップが発表された。この合意は、オーストラリア、中国、インド、日本、韓国、米国が発表したものでこのパートナーシップの第1回会合は2006年初めにも開かれると見られる。

2005年世界サミット:2005年世界サミットは、9月14-16日、ニューヨークの国連本部で開催され、気候変動問題も取り上げられた。このサミットから得られた文書では、各国のUNFCCCおよび京都議定書上の約束や義務に焦点が当てられ、気候変動に対応し、クリーンなエネルギーを促進し、エネルギー需要を満たすとともに持続可能な開発を達成するため、直面する多くの課題に「決意をもって速やかに」行動する必要性が強調された。本サミット文書は、自然災害に対する世界規模の早期警戒システムを迅速に設置するため、作業を急ぐ必要性が示され、途上国に対して安価かつクリーンなエネルギー効率化技術および保全技術を「有利な条件」で早期移転するための合意を明記する。エネルギーサービスが貧困に与える影響も明記する。

GEF資金再補充:地球環境ファシリティー(GEF)信託基金の第四回資金再補充に関し、最終会合となる予定のものが、11月21日から22日、日本の東京で開催された。しかし、資金供与国は、供与額で合意に達することができず、12月半ばに、さらに会合する予定である。

UNFCCCの会合:SB 22以後、さまざまなUNFCCCのイベントが開催されてきた、影響、脆弱性、適応に関する作業5ヵ年計画策定のためのワークショップ(2005年10月17-19日、ボン)、適応のための環境上適正な技術の開発と移転に関するセミナー(2005年6月14-16日、トバゴ)などである。また次のものも開催された:UNFCCC6条規定の教育と訓練、啓発に関するアジア地域ワークショップ(9月11-15日、日本、横浜)、「緩和評価に関する実践的訓練ワークショップ」(9月26-30日、韓国、ソウル)、後発発展途上国専門家グループ会合(8月18-20日、キリバス)、技術的ニーズ評価結果に資金を供与する革新オプションに関するワークショップ(10月20-21日、ボン)。

COP 11およびCOP/MOP1直前にも、モントリオールでいくつかの会合が行われた。これには次のものが含まれる:CDM理事会第22回会合 (11月23-25日)、非附属書I締約国からの国別報告書に関する専門家諮問グループ第5回会合(11月24-25日)、対応措置に関する専門家会合(11月23-24日)、技術移転に関する専門家グループ会合(11月23-25日)。

NEDOからの委託によりGISPRI仮訳