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2005年 5号

Research Project
CDM/JIへの事業者の取組みの促進に関する調査研究委員会



 京都メカニズムの活用は、旧地球温暖化対策推進大綱、現在の京都議定書目標達成計画において、有力な議定書目標達成の手段の一つと位置づけられている。欧州各国の中にも京都メカニズムを積極的に活用する国々があり、CDM/JI等への取組みを加速し、将来のクレジット確保を確実なものとしつつある。平成20年(2008年)からの第1約束期間に向け、排出削減プロジェクトのリードタイムを考えると、着手すべきデッドラインに来ているが、現在の我が国の状況はプロジェクトの取組みの広がりが十分とはいえない面もある。

 今後、我が国としてCDM/JIを促進し、安定的にクレジットを確保するには、民間事業者のより積極的な取組みが不可欠である。従って、なぜ、現在においてもCDM促進が期待以上に進まないのか、取り組む意識はあるのになぜ実行動への距離があるのかについて原因を探る必要がある。CDM理事会の運営面なども障碍として予想されるが、ここでは特に、それ以外の障碍(外部要因・内部要因)を中心に議論を行い、これらを政府にインプットすることを通じて、ボトルネックの解消へ向けた支援を働きかけていくことが、国・事業者双方の利益となるといえる。


■調査内容

(1)事前調査
   自主行動計画達成等の目的でクレジット確保を検討し、具体的な行動としてCDM/JIも視野にいれている事業者に対し、事前調査としてCDMへの取組みにおいて障碍となりうると想定している事項を中心にヒアリングを行なう。CDM特有の手続き面以外の障碍(内部・外部)に特に力点をおき、本年9月より調査を開始した。対象は、電力(10社及び電源開発)、鉄鋼、石油、都市ガス、家電、商社等を予定している。

(2)検討委員会
   上記調査で得た知見をもとに事業者のCDMへの積極的な取組みを推進するための課題・方策に関する具体的な検討を行う。今年度中に取りまとめを行い、報告書を作成。関係省庁へのフィードバック及び業界団体、コンサルタント等の影響力のある関係先に送付・説明し、本調査研究での問題意識や課題解決の方向性に関し広く支持を得るよう努める。
 
【検討委員】
  帝京大学経済学部教授 山口光恒委員長
はじめ委員計7名
【委員会開催】
  H17年11月〜
【検討予定項目】
 
第1回: 趣旨確認、論点整理
  産構審市場メカニズム専門委員会での審議内容
  最近のプロジェクト動向
  民間事業者ヒアリング 中間報告
  事業者からの要望点について、何点かを議論
 
第2回: 取り組み事業者の事例発表 (要調整)
  1〜2社のご発表&質疑応答
  制度的な問題点、国への要望など中心に
 
第3回: 民間事業者ヒアリング結果分析
  民間事業者ヒアリング 分析結果報告
 事業者がCDM進めていくうえでの国内での障碍を中心に内部要因、外部要因等で分析
  事業者からの要望点について、何点かを議論
 Ex: 2013年以降のクレジット価値へのコミットの仕方
 
第4回: 総括
  京都メカニズム本格活用に向けての、国と事業者のあるべき役割
  事業者セクター別のCDM/JI事業促進に向けての方策


以上
(文責 地球環境対策部 松本仁志)