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2007年 4号
Council
SB26・AWG・Dialogue 参加報告



 国連気候変動枠組条約第26回補助機関会合(SB26)・京都議定書3条9項に基づく附属書T国(先進国及び市場経済移行国)の更なるコミットメントに関する作業部会の第3回会合(AWG:Ad Hoc Working Group on Further Commitments for Annex I Parties under the Kyoto Protocol)・気候変動に対応するための長期的協力のための行動に関する対話(Dialogue:Dialogue on long-term cooperative action to address climate change by enhancing implementation of the Convention) がドイツ・ボンのMaritim Hotelにて開催された。事務局の発表によると参加者数は165ヶ国 1,666名であった。我が国からは、西村気候変動担当政府代表、本部経済産業省審議官、大江外務省国際協力局参事官他、外務、文部科学、農林水産、経済産業、国土交通、環境の各省関係者等が参加した。


(会場:Maritim Hotel)
(プレナリー風景)

会議の詳細報告については以下参照。。
http://www.gispri.or.jp/kankyo/unfccc/pdf/20070529SB26_report.pdf



【主な概要】
        
T.
AWG(京都議定書3条9項に基づく附属書T国の更なる約束)
一昨年のCOP/MOP1で合意されたものであり、附属書T国の2013年以降の更なる約束を検討するためのプロセスである。今回は5/14〜18にかけて開催され「附属書T国の排出削減目的の範囲および緩和ポテンシャルの分析」がテーマであった。直前に公表されたIPCC第4次報告書の内容を踏まえて、活発な議論が行なわれた。
非附属書T国側が附属書I国の早期の大規模な削減約束を求めたのに対し、附属書T国側は主要排出国を含めた地球規模での取組が不可欠な点を主張してぎりぎりまで折衝が行われた結果、以下を主な内容とする結論文書が採択された。
 
1. 附属書T国の削減ポテンシャルと削減目標の幅に関して、事務局が各国の提出する情報をベースにテクニカルペーパーを作成する。(パラ8)
2. AWG4(8月ウィーン、12月バリの2回に分けて開催)では、附属書T国の削減ポテンシャルの継続と共に、削減幅の特定と条約の究極目的への貢献の分析を行う。(パラ7)
3. AWG4のバリ会合では、昨年合意した作業計画について検討し、タイムスケジュールを決定する。(パラ10)
4. 本会合期間中で一部の締約国、プレゼンター、オブザーバーが示したインプットの中でも特に以下の点が注目される。((a)〜(h)まで8項目を列挙)
「大幅な気温上昇を抑制するためには、次の10年から15年の間にGHG排出量の最大値を迎える必要があり、このためには、附属書T締約国が2013年以降の期間においてGHG排出量を1990年比で25から40%以下に削減すると約束する必要がある。」
(パラ6(a))
   
U.
Dialogue(気候変動に対応するための長期的協力に関する対話)
これも一昨年のCOP11で合意されたもので、京都議定書未批准国の米国や削減義務のない途上国も含めた全ての締約国が長期的な温暖化対策を議論するためのものであり、将来の交渉、約束、プロセス、枠組み、マンデートなどには一切つながらないものとされている。今回は5/16、17の両日「技術」「適応」をテーマに意見交換が行われた。
これまでの対話の内容は本年8月のウイーンでとりまとめを行った上で、年末のCOP13へ報告される。
   
V.
SB26(第26回補助機関会合)
「適応基金」「技術移転」「キャパシティビルディング」「小規模森林CDM」「国際航空・海運からの排出」など多くの議題が話し合われた。年末のCOP13、COP/MOP3に向けて、一定の進展が見られ議論が深まった。
   
W.
今後の日程
AWG4、Dialogue4
 
2007年8月27〜31日:オーストリア・ウィーン
COP13、COP/MOP3
2007年12月3〜14日:インドネシア・バリ
(地球産業文化研究所 松本 仁志)