〔タスク1〕土地利用、土地利用の変化及び林業に関するグッドプラクティスガイダンス


1. 背景及び経緯
 IIPCCは、1996年改訂IPCCガイドラインの問題点の解決とインベントリーの不確実性の低減を目的としたグッドプラクティスガイダンスを作成することをSBSTAから要請されていた。報告書は2000年に策定されたが、当時はLULUCFの算定方法に関して合意が得られていなかったため、その部門は報告書に含まれなかった。その後、LULUCFの算定方法についてCOP6によってほぼ合意されたことにより、京都議定書に規定される吸収源の算定方法についてのグッドプラクティスガイダンスをIPCCにおいて作成する運びとなった。
 第19回全体会合では、当グッドプラクティスガイダンスの第1回専門家会合(アイゼナッハ)について報告され、今後のワークプラン、執筆者リスト、予算の増額等は、ほぼ提案通りに承認されたが、政府・専門家による査読期間をもっと延ばして欲しいという要請は多かった。しかし、本ガイダンスは2003年(COP9)までに策定するという時間的制約があるため却下され、今後の課題とされた。その他、進行状況をSBSTAに適宜報告し意見交換をすることや、途上国等からの専門家をもっと増やすことの重要性について議論された。
 その後、2002年7月9日~12日(9日はCLA準備会合)には、タンペレ(フィンランド)にて第2回執筆者・専門家会合、10月1日~4日(1日はCLA準備会合)には、リオデジャネイロ(ブラジル)にて第3回同会合、2002月12月2日~2003年1月27日には第1次専門家/政府レビュー(8週間)がそれぞれ執り行われ、第1次レビューで提出されたコメントは2003年4月1~3日にクアラルンプール(マレーシア)で開催された執筆者/専門家会合で検討された。第2次レビューは2003年5月~6月に行われ、そのレビュー・コメントは2003年7月にオーストラリアで開催された執筆者/専門家会合で再び検討された。
 同報告書は、第21回全体会合への提出・採択を経てUNFCCCのCOP9(2003年12月1-12日、ミラノ・イタリア)に提出された。

2. 章構成
1) 概要
2) 地域(land area)の一貫した表示の原則
(地域分類の様々なアプローチについてのアドバイス。1996年に改訂されたIPCCガイドラインを更に改訂)
3) LUCF分野のグッドプラクティスガイダンス
(GHGの排出と吸収を見積もる際の詳細なガイダンス)
4) 京都議定書に起因する補助的方法及びグッドプラクティスガイダンス
(マラケシュ合意で要求されている地域の一貫した特定等)
5) 横断的事項
(予測の不確実性、主なカテゴリーの特定と確認、質の保証と管理)

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