2010年3号

日・EUビジネス・ダイアログ・ラウンドテーブル2010年次会議出席報告

 2010年4月19日午後~20日午前、椿山荘 フォーシーズンズホテルにおいて、日・EUビジネス・ラウンドテーブル2010年の年次会議(以下BRT)が開催された。BRTは日本とEUの産業界が種々の分野において共同提案をまとめ、それらを「提言」として両政府首脳に手交し政策反映を促すことを主な目的としている。

 日本側は共同議長の岡村正氏(東芝相談役)をはじめ15名が参加した。EU側は代理を含め19名のプリンシパルメンバーが参加する予定であったが、前週のアイスランドの火山噴火による噴煙の影響で空港閉鎖となり、ル・ガル共同議長を含め3人が来日不能となったのは残念であった。
 会合には、プリンシパルメンバーのシェルパ(個人代表)、政府関係者、オブザーバー、事務局を合わせると両日で総計146名が参加した。 GISPRIからは、福川伸次顧問(日本側プリンシパルメンバー、WP-A共同リーダー)及び林宏之、入江賀子(福川顧問のシェルパ)の3名が出席した。

 4月19日午後、本会議の冒頭、日本国政府の岡田外務大臣からの日欧の関係強化を期待する旨の挨拶の後、各ワーキングパーティーから(WP)の報告が行われた。WP-Aは直前まで日欧による提言文書の修正が行われたが、WP-B:ライフ・サイエンス、バイオテクノロジー、WP-C:ICT、WP-D:会計・税制・金融、WP-E:イノベーション、環境、持続的開発、WP-A:貿易投資の順に、提言内容が報告され、活発な議論が行われた。以後、日欧の行動計画への意見交換が行われ、プレスリリース案が承認されて初日の議題を終了した。この後のレセプションでは、経済産業省の直嶋大臣がスピーチを行うなど、日本政府首脳の本会合への期待の大きさが窺えた。

 翌4月20日は官民合同セッションが行われ、過去10間の提言内容の進捗評価、進捗を加速するための変革についての欧州側からの提案、次期10ヵ年日欧行動計画への提言が行われ、日欧政府代表を含めた議論が行われた。
 最後に民間セッションとして、技術革新における日欧産業協力、気候変動問題に関する日欧産業協力、BRTの今後の方向性について、さらなる議論が行われ、本会合は終了した。
 今次会合をもって日本側の岡村共同議長は、その職を辞し後任に住友化学の米倉弘昌氏が就任することが満場一致で承認された。
 4月28日、今回承認された共同提言書は、日欧首脳会議へ来日中のヘルマン・ヴァン=ロンパイ欧州理事会議長、ジョセ・マヌエル・バローソ欧州委員会委員長及び鳩山由紀夫首相に、両共同議長から手渡された。

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