2000年11号

「アジアの総合的展望」研究委員会について

 当研究所では、広い視野から、21世紀初頭の25年程度を総合的かつ大胆に展望し、日本としては、いかなる戦略をとるべきか検討することを目的に、平成11年度に「アジアの 総合的展望」研究委員会を設置して研究を行った。本研究委員会では、青山学院大学国際 政治経済学部の天児慧(あまこ・さとし)教授を委員長とし、朝鮮、台湾および日米関係を含む安全保障システム、中国を中心とする東アジアの経済と政治、インドを中心とする南アジアの経済と政治、社会と市民意識、環境問題など、広い分野にわたって検討を行っ た。
 平成12年度は、第2次の「アジアの総合的展望」研究委員会を設置し、前年度に十分検 討が出来なかった各国の国内政治体制と民主化の動き、中国及び台湾による世界貿易機関 (WTO)加盟への動き、朝鮮半島情勢、人口・食糧・インフラ(貧困問題)、エネルギー・ 資源問題、各国における基盤産業および最近急速な発展を遂げている情報技術(IT)産業 などの最新動向について検討を行い、それらを総合化し、西暦2010年頃から2025年頃までを見通 した、より幅広いアジアの将来展望を行う予定である。
 また、今後のアジアの姿を条件づける基本的な要因を総合的に検討しつつ、アジアの将来を大胆に展望することにより、今後、日本としてはアジアに対してどのように対応するべきかについて、日本のとるべき行動の指針を検討する。
 平成11年度に引き続いて、本研究委員会の委員長として天児慧教授に就任していただき、 天児委員長を含むさまざまな分野を専門とする合計12名の学識経験者から構成される研究委員会を本年度中に8回程度開催する。そして、本研究委員会で議論された内容を踏まえて、本年度末を目途に報告書としてとりまとめる予定である。


<委員会委員(敬称略)と分担テーマ>


天児 慧 青山学院大学国際政治経済学部教授 (全体とりまとめ、中国政治体制の展望)
加藤弘之 神戸大学経済学部教授 (中国経済体制の展望~市場化、開発戦略の見通し)
李 鐘元 立教大学法学部政治学科教授 (朝鮮半島情勢の行方~南北、日米中の関係)
井尻秀憲 東京外国語大学外国語学部教授 (東アジアの台湾ファクターと中台関係)
岩崎育夫 拓殖大学国際開発学部教授 (東南アジアの政治経済とその自立化)
広瀬崇子 大東文化大学国際関係学部教授 (南アジア政治経済とその自立化)
菱田雅晴 静岡県立大学国際関係学部教授 (中国WTO加盟の国内外へのインパクト)
北村かよ子 拓殖大学国際開発学部教授 (IT産業発展の現状と経済・社会への影響)
大橋英夫 専修大学経済学部教授 (アジア太平洋の貿易・金融構造)
菊池 努 青山学院大学国際政治経済学部教授 (アジア政治経済相互依存システム)
村田晃嗣 同志社大学法学部助教授 (東アジアの政治争点と日米中関係)
神谷万丈 防衛大学校国際関係学科助教授 (アジア太平洋の安全保障)


<本研究委員会での研究・議論のポイント>


1.それぞれの今日的な課題、争点は何かを提示し、それらを中心に現状分析を行った上 で、現在的ファクターと将来予想される国内外のファクターとの組み合わせによって、西 暦2010年の情勢について幾つかのシナリオ予想を描きながら展望することを試みる。

.キー・ポイントとして、
○アジアの政治・経済レベルでの「多極化」はどこまで進むか
○アジアの「相互依存」はどこまで進むか
○アジアの主要争点は、アジア全体の基本構造を動かすか、等
(研究委員会事務局:伊藤裕之)

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