〔タスク3〕GHG排出源及び吸収源における直接的人為的影響を 間接的人為的影響ないし自然効果から識別する方法に関する報告書

背景及び経緯
 炭素貯蔵と温室効果ガスの排出とシンクによる除去における直接的人為的影響と間接的人為的影響、及び自然の影響の識別手法に関するこの報告書は、LULUCFに関するマラケシュ合意(Decision11/CP7)によって2004年(COP10)までに完成してくれるようIPCCに提案された。
 UNFCCCの提案を受け入れたIPCCは、2001年に行われた専門家グループ計画会合と第6・第7タスクフォース・ビューロー(TFB)会合で今後のプラン、予算等を検討し、第19回全体会合にTFBの提案を提出した。
 第19回全体会合でTFBの提案通りに承認された当報告書は、ワークプラン及び予算に則って作業が進められ、2002年9月16日~18日にはジュネーブにて専門家会合が開催され、実践可能な方法論の開発を目的に様々な方法論の科学的根拠と可能性の評価が行われた。又、第20回全体会合ではこの問題に関して科学的に解明されていないことが多いことを考慮し、各WG及びTFIの共同議長でこの事項に関して検討し、科学者による運営委員会(steering group、)を設立しハイレベル科学会議を開催することを決定すると共に、当初予定だったCOP10まででなく、COP11までに完成させることとなった。
 ところが、ハイレベル科学会議(2003年7月21-23日、ジュネーブ・スイス)では現時点では科学機関は炭素ストックへの直接的人為的影響をその他の影響から識別する包括的な方法論を提示できないと結論が出された。これを受けて7月23日の管理委員会では、科学的理解の限界と研究のニーズについて議論し、タスク3の一部のみ(現在分かっている部分のみ)扱うという意見が述べられた。また、8月1日TFB会合でも現在ある識別技術について方法論的報告書を作成することも可能であるという意見が述べられたが、あくまでもパネルが決定することであるためタスク3については検討を延期することで合意された。
 第21回全体会合にてパネルは以上の報告をもとに検討し、IPCCはこの結果をUNFCCC‐SBSTAに説明し、SBSTAからインプットがあればそれを受けてまた考えることとし、とりあえずこの作業は終了すると結論を出した。

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