地球環境関係



 

IPCCに関する動向
Intergovernmental Panel on Climate Change



組織と目的

 IPCC (Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル)は、人為的な気候変動のリスクに関する最新の科学的・技術的・社会経済的な知見をとりまとめて評価し、各国政府にアドバイスとカウンセルを提供することを目的とした政府間機構であり、次の特徴が挙げられる。

(1) 政府間パネルとの名であるが、参加者は政府関係者に限られず、世界有数の科学者が参加している。
(2) 参加した科学者は新たな研究を行うのではなく、発表された研究を広く調査し、評価(assessment)を行う。
(3) 科学的知見を基にした政策立案者への助言を目的とし、政策の提案は行わない。

 IPCCには3つの作業部会があり、第一次作業部会(Working Group I、又はWG I)は気候システム及び気候変動の関する科学的知見を、第二次作業部会(Working Group II、又はWG II)は気候変動に対する社会経済システムや生態系の脆弱性と気候変動の影響及び適応策を、そして、第三次作業部会(Working Group III、又はWG III)は温室効果ガスの排出抑制及び気候変動の緩和策をそれぞれ評価している。また作業部会とは別にタスク・フォースも設置されており、IPCCの国家温室効果ガス目録プログラムにおける一切の責任を負っている。

 IPCCのビューロー(議長団)は、IPCC議長1名、IPCC副議長3名、各WG共同議長各2名、各WG副議長各6名、タスク・フォース共同議長2名の計30名で構成されており、常設事務局は、ジュネーブのWMO (the World Meteorological Organization:世界気象機構)本部内に、WMOとUNEP (the United Nations Environment Programme:国連環境計画 )の共同で設置されている。

1997〜2002ビューローメンバー 2002〜2007 ビューローメンバー
2008〜2014 ビューローメンバー



設立背景

 
大洪水や干ばつ、暖冬といった世界的な異常気象を契機に、1979年、WMOとUNEPは気候と気候変動に係わる研究を開始した。その後、気候変動に関する国際的課題が増大するにつれ、各国政府が効果的な政策を講じられるよう、気候変動に関する科学的情報を包括的に提供する必要性が高まった。 これらを背景として、IPCCの設立構想が1987年のWMO総会並びにUNEP理事会で提案され、1988年に承認、同年にIPCCが設立された。



UNFCCCとIPCCの関係

 IPCCはもともと国際連合気候変動枠組条約(UNFCCC)とは関係なく設立されたが、第一次評価報告書が気候変動に関する知見を集大成・評価したものとして高く評価されたことから、基本的な参考文献として広く利用されるようになった。1992年2月にはUNFCCCの交渉に寄与するために報告書の作成も行っている。

 1994年にUNFCCCが発効し、条約9条に基づき国連内にも科学的及び技術的な助言のための補助機関(SBSTA)というUNFCCCの実施に直接関連する科学的調査を行う機関が設立されたことを機に、IPCCとSBSTAの作業分担が行われると予想されていた。しかし、SBSTAの立ち上がりが組織編成等で遅れ、実質的な活動が開始されなかったことから、UNFCCC事務局からIPCCに当面の作業を依頼することが提案され、補助機関会合で合意された。これを受けてIPCCは、補助機関の要請に答えて技術報告書特別報告書を作成することとなった。